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IPCCとは?目的や組織の構成、活動内容も含めて解説!

2021.6.28

IPCCは「気候変動に関する政府間パネル」とよばれる国際的な組織で、気候変動に関する包括的な評価を行っています。科学的、技術的、社会科学的な観点から地球温暖化や気候変動の評価を行い、報告書を作成することが主な活動です。この記事では、IPCCの組織が設立された目的や経緯、構成、活動について解説しています。

IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change)とはどんな組織?

IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change)は、「気候変動に関する政府間パネル」とよばれる国際的な組織です。政府間機関としてIPCCには、各国の政府関係者に加え、地球温暖化や気候変動、関連分野に係わる最前線の専門家、科学者たちが世界中から参加しています。

IPCCの活動目的は、地球温暖化、気候変動に関する包括的な評価です。地球温暖化とそれにともなう気候変動の実態や、地球環境・経済社会への影響、必要な対策などについて、科学的、技術的、社会科学的な観点から知見、見解を提供しています。

ただし、政治的には中立な立場であり、特定の政策に対する提案は行いません。

IPCC加盟国は世界195ヵ国、事務局はスイスのジュネーブに置かれています。

多くの国が参加するIPCCですが、どのような経緯で設立されたのでしょうか。

IPCCが設立された経緯

IPCCは、国連環境計画(UNEP)と世界気象機関(WMO)によって1988年に共同設立され、同年の国連総会でその活動が承認されました。

IPCCは先述の通り、地球温暖化とそれに起因すると考えられる様々な気候変動が、世界にどのような影響をもたらすのか、地球温暖化、気候変動に関する包括的評価を行うことを目的とした組織です。IPCC設立には、地球温暖化と気候変動が世界的な問題、解決すべき課題になってきたという背景があります。

地球温暖化の原因については「地球温暖化とは何かをわかりやすく解説!仕組みや原因、今後の対策も」で詳しく解説しています。

地球温暖化と気候変動


IPCCの構成

IPCCは、3つの作業部会、そして1つのイベントリー・タスクフォース(温室効果ガス目録に関するタスクフォース)で構成され、これらの上に議長団(ビューロー)で構成されているIPCC総会があります。

3つの作業部会およびイベントリ―・タスクフォースはそれぞれ以下の役割を担っています。

  • 第1作業部会(科学的根拠):気候システムおよび気候変化についての評価を行う
  • 第2作業部会(影響、適応、脆弱性):生態系、社会・経済等の各分野における影響および適応策についての評価を行う
  • 第3作業部会(緩和策):気候変化に対する対策(緩和策)についての評価を行う
  • イベントリ―・タスクフォース:各国における温室効果ガス排出量・吸収量の目録(イベントリ)策定のための方法論の作成、改善を行う

※環境省「IPCC 第5次評価報告書の概要 -WG1(自然科学的根拠)」より引用

ここからは、各作業部会とイベントリ―・タスクフォースについて、もう少しくわしくご紹介します。

第1作業部会(科学的根拠)

地球温暖化の原因や現状(観測事実)、将来予測を行う作業部会です。地球温暖化と人間活動、温室効果ガスとの関連についてこれまでの観測データをまとめています。また、これまでに起こっている気温上昇やこれから予測される気温上昇、海面水位の上昇、海洋深層における水温上昇、海洋酸性化などについて、データや予測を提供します。

第2作業部会(影響、適応、脆弱性)

気候変動が自然や人(人間システム)にもたらす影響、気候変動への適応や脆弱性に関する評価を担っています。気候変動によって引き起こされる水資源への影響、生物の生息域の変化、農作物への影響などの報告や、海面上昇、極端気象、熱波などのリスクの予測が行われています。

第3作業部会(緩和策)

地球温暖化と気候変動を緩和するために、今後どれくらい温室効果ガスの排出量を削減する必要があるのかについて評価を負っている作業部会です。これまでの温室効果ガスの排出量についてまとめるとともに、温室効果ガスの排出量を削減することによって将来的に気温上昇がどの程度抑制されるかの予測を行っています。

イベントリ―・タスクフォース

「IPCC国別温室効果ガスイベントリ―プログラム(IPCCNGGIP)」に係わるタスクを担当しています。具体的には、国別の温室効果ガス排出量・吸収量に関する計算と、報告のための手法およびソフトウェア、関連ツールの開発がその役割です。

温室効果ガス目録に関するタスクフォース

IPCCの活動内容とは?

気候変動に関する包括的な評価を目的として設立されたIPCC。そのIPCCの主な活動は、「評価報告書(Assessment Report)」とよばれる気候変動に関する報告書の作成です。評価報告書は5~7年ごとに制作されており、先ほどの3つの作業部会ごとにそれぞれ作成されたものが順次発表され、評価報告書としてまとめられます。

最新版となる第5次評価報告書は2013~2014年にかけて発表されました。現在は第6次評価報告書の作成段階にあり、2021~2022年にかけて順次発表が行われる予定です。

IPCCには、世界各国の政府から推薦された専門家や科学者が参加しており、評価報告書は最前線の研究から得られた知見や観測などのデータをもとに執筆されています。また、世界中から集められた膨大な知見やデータがまとめられるため、評価報告書は非常にボリュームのあるものとなっています。最新版である第5次評価報告書の執筆には80か国以上から800人以上の専門家、科学者たちが携わり、1,000ページを超える内容となりました。

最先端の知見、データが結集したIPCCの評価報告書は、地球温暖化、気候変動の分野において非常に大きな影響力と信頼性、そして権威性をもっています。

温暖化への取り組みでノーベル賞を受賞

第4次評価報告書が出された2007年には、人為的に引き起こされる気候変動の認識を広めたこと、そして、気候変動を解決するための土台を築く取り組みを行ってきたことが評価され、IPCCはノーベル平和賞を受賞しました。

IPCCの第4次評価報告書は、地球温暖化が疑う余地なく起こっていることを明記した画期的なものです。さらに地球温暖化の原因については「大気中の温室効果ガスの増加である可能性が非常に高い(very likely)」と記載しており、温室効果ガスと地球温暖化の強い関連についても言及しています。

人々の希望

世界に訴え続けてきたIPCC

IPCCはその設立当初より、温室効果ガスによる地球温暖化について指摘し続けてきました。

IPCCの活動は、日本も含め全世界における温室効果ガスの排出削減や地球温暖化への意識の高まりに大きな影響を与えています。

例えば、1997年の国連気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3)で採択された「京都議定書(Kyoto Protocol)」は、地球温暖化を解決するための取り組みとして、先進国に対し具体的な数値として温室効果ガスの削減義務を定めた初めての国際協定です。地球温暖化の原因であると考えられている温室効果ガスの排出量を削減するために、世界が足並みをそろえて踏み出した最初の一歩となりました。

その後のパリ条約にも続く京都議定書は、地球温暖化や気候変動への世界的な意識の高まりの現れといえるでしょう。国際社会は、低炭素社会・脱炭素社会の構築に向けて大きく動き出しており、このような、地球温暖化や気候変動に対する世界的な潮流にIPCCが及ぼしてきた影響は計り知れません。

パリ協定については「パリ協定とは?日本の取り組みやアメリカ離脱の経緯をわかりやすく解説」でくわしく解説しています。


IPCCは、地球温暖化、気候変動に関する包括的評価を行うことを目的とした国際的な組織です。

IPCCには地球温暖化や気候変動の最前線で活躍する専門家や科学者たちが参加しており、主な活動は、5~7年ごとの評価報告書の作成です。第一線の専門家や科学者たちによって執筆される報告書は非常に大きな影響力と信頼性、そして権威性をもっています。

IPCCは設立当初から温室効果ガスによる地球温暖化を訴え続けてきました。その活動は世界に影響を与え、地球温暖化や気候変動に対する全世界的な意識の高まりと取り組みに大きく貢献しています。

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