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水素エネルギーとは?メリットや課題、将来性、企業の事例を解説!

2020.9.25

水素エネルギーは、燃焼時に二酸化炭素を出さないクリーンなエネルギーです。

この記事では、水素エネルギーとはどのようなもので、どのように生産されるか、水素エネルギーの利用方法、利点やデメリットなどについてまとめます。

水素エネルギーとは何か?作り方や利用方法を解説!

水素エネルギーとは、エネルギーとして活用する水素のことです。エネルギー資源として水素を活用する社会は水素エネルギー社会、あるいは水素社会と呼ばれています。

元素として水素Hをみたとき、水素の元素数は地球表面には酸素、ケイ素に次ぐ3番目で、資源枯渇の心配がありません。水素分子(H2)は常温で気体(水素ガス)ですが、酸素と結合(燃焼)すると

H2 + 2O2 → 2H2O

のように水 (H2O)が発生します。

地球表面の水素原子のほとんどは海水の状態で存在しており、水素エネルギーとして使用するには水素分子を工業的に製造しなければなりません。

現在の水素の工業的生産は、化石燃料を使うことも多く、再生可能エネルギーにあたるかどうかは意見の分かれるところですが、将来的には水の電気分解やバイオマスによる水素の大量生産などが期待されています。

再生可能エネルギーについては「再生可能エネルギーとは何かを簡単に解説!日本と世界の導入状況も」に詳しくまとめましたので、併せてご覧ください。

水素エネルギーの工業的生産

実際に日本でも太陽光発電を利用した水素ステーションの実証がされており、二酸化炭素を排出しない水素の生産へ着々と歩みを進めています。

クリーンエネルギーについては「クリーンエネルギーとは?意味やメリット、企業事例を解説」をご覧ください。

また、水素は爆発的に燃焼し、エネルギー変換効率が高いことや、上記のように燃焼の際に二酸化炭素を排出しないという特徴があります。

以上のような性質から、水素は化石燃料に代わる新たなエネルギーとして注目されています。

水素エネルギーの作り方や利用方法については、以下でまとめます。

水素エネルギーの作り方

化学的に水素を作り出すのは、非常に多くの方法が考えられます。水素は様々な物質を構成する元素であり、それらの物質を化学反応させることで水素を取り出します。

例えば、水素よりもイオン化傾向の大きい金属(アルミニウムなど)と希硫酸の反応で水素が発生します。

しかし、実験室的製法とは違い、工業的製法では安価かつ大量に生産する必要があります。工業的には、電気分解による水素の生産と天然ガスなどと水蒸気を反応させる生産方法が考えられます。

水を電気分解する場合、真水は電気を通さないので水酸化カリウム等の電解質を混ぜてから電気分解します(固体高分子電解法)。

この電気分解の逆の反応を利用したのが、燃料電池です。

電解質溶液に水酸化カリウムを用いた水素-酸素燃料電「⊝H2 | KOH aq | O2⊕ 」では、

負極:H2 +2OH → 2H2O + 2e
正極:O2 + 2H2O + 4e → 4OH

の反応により、電気を取り出します。

また製塩の際、海水を電気分解しますが、その副産物として水素が発生します。他にも、水素と炭素から成る物質を高温の水蒸気と反応させることで、水素を取り出すことができます。

例えば、天然ガスに含まれるメタン(CH4)などです。

CH4 + H2O → CO + 3H2
CH4 + 2H2O → CO2 + 4H2

発生した一酸化炭素(CO)は

CO + H2O → CO2 + H2

のように反応して、二酸化炭素になります。

ただし天然ガスから水素を取り出す場合は、これらの混合ガスから水素だけを得るための機械が必要です。

この方法と同様に、高温でバイオマスを分解し、発生したガスを水蒸気と反応させることで水素を得る方法も実用化されています。

水素エネルギーの抽出方法

水素エネルギーの主要な利用方法とは?

既に紹介したように、燃料電池には水素エネルギーが利用されており、水素と酸素の化学反応で発電をします。

2009年に販売開始された家庭用燃料電池エネファームが既に一般に普及しているのはご存じのとおりです。

燃料電池の反応の際に発生するのは水ですから、これを利用して、水素で発電して動力を得る「燃料電池自動車(FCV)」の開発が進んでいます。

燃料電池自動車は排気ガスを出さないクリーンな自動車であり、日本でもトヨタ自動車などが開発・販売しています。

首都圏では水素エネルギーを利用した「燃料電池バス(FCバス)」が走行しているのも見られ、「燃料電池トラック(FCトラック)」、「燃料電池スクーター(FCスクーター)」など多くの乗り物に活用されています。

同時にそれらの乗り物に水素を補給するための水素ステーションも各地に設置されています。今後は、FCVがより普及すれば、水素ステーションの数も増えることが予想されます。

2019年11月の経済産業省「水素社会実現に向けた経済産業省の取組」によれば、エネファームは28万台の普及に成功しており、2030年までにエネファーム530万台、FCV80万台の普及を目指しています。

水素エネルギーのメリットと課題を解説!危険性はある?

水素エネルギーのメリットとしてまず、環境負荷が低いことが挙げられます。

既に説明したとおり、水素は燃焼時に水を生じ、二酸化炭素を出しません。この際の反応は、小中学校で「ポンと音を立てて燃える」と習った覚えがある方もいるでしょうが、実際は爆発的な燃焼で、熱エネルギーとしても十分に利用できます。

また、水素-酸素燃料電池として利用する場合も、水素と酸素を用いて電気を取り出し、水を排出します。

なにより、水素原子は様々な物質を構成する物質であり、様々な資源から生成できますので、資源の乏しい日本でも、エネルギー資源として活用できる可能性があります。

水素を安価かつ大量に生産するなら、化石燃料を使う方法が一般的ですから、水素の生産・消費の全体を見れば現状で二酸化炭素を排出しないエネルギーとは言えません。

しかし、今後再生可能エネルギーの普及が進み、再エネから得られた安価な電力が得られれば、水の電気分解により、二酸化炭素を排出しない水素エネルギーを得られる可能性はあります。

特に日本は海に囲まれており水資源が豊富な国ですから、これは大きな利点です。

また、水素はエネルギー効率が高く、エネルギーの輸送・貯蔵手段として将来性があります。

つまり、余剰電力があるときに水を電気分解して水素を生産しておき、電力が不足したときに水素を使用して発電を行えば、電力需要の平均化に貢献できます。

一方、エネルギー効率が高いということは、事故の際の被害が大きくなりやすいとも言えます。ガソリン等と同様、水素による事故の危険性がゼロとは言えません。

水素を正しく安全に管理するために、水素を扱う場合には「漏らさない」、万一漏れた場合それを「検知する」、「漏れた水素を停留させない」という3段階の対策が徹底されています

水素エネルギーを活用したクリーンな自動車

水素エネルギーの将来性とは?企業の事例を紹介!

水素は質量あたりのエネルギーがガソリンの3倍程度であり、非常にエネルギー変換効率の高い資源です。そのため、水素をエネルギーの貯蔵・輸送手段としても注目されています。

実際に、2019年にはブルネイで水素化プラントが建設され、水素エネルギーのサプライチェーンが開始されています。

これは日本の「次世代水素エネルギーチェーン技術研究組合(AHEAD)」の「有機ケミカルハイドライド法による未利用エネルギー由来水素サプライチェーン実証実験」の一環で、貯蔵・輸送しやすく加工した水素を、日本に輸送しています。

また、「 CO2 フリー水素サプライチェーン推進機構(HySTRA)」に所属する川崎重工は、2019年に世界初の液化水素運搬船「すいそ ふろんてぃあ」を製造し、同年12月11日に進水式を行いました。

「すいそ ふろんてぃあ」は、品質や輸送面の問題からこれまで活用が難しいと言われていた「褐炭」を活用する「褐炭水素プロジェクト」のために製造され、オーストラリアで褐炭から水素を製造したのち、日本に輸送する予定です。

また、余剰電力を水素に変えて貯蔵するシステムとして、清水建設と国立研究開発法人産業技術総合研究所が共同開発した「Hydro Q-BiC」があります。

「Hydro Q-BiC」では、再生可能エネルギーによって作られた余剰電力利用して、水を電気分解することで水素に変えて、水素吸蔵合金に貯蔵します。

水素をエネルギーとして捉え、活用する社会システム・水素社会を実現すべく、既に様々な実証実験が開始されています。


水素は電気や熱エネルギーとして変換する際に二酸化炭素を排出しないことから、クリーンなエネルギーとして、今後の活用が期待されています。

水素は、資源の乏しい日本にとっても、画期的なエネルギー資源となる可能性が秘められています。

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