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第5次エネルギー基本計画(2018)とは?概要や電源構成の目標を解説

2020.3.6

エネルギー基本計画は、日本のエネルギー政策の方向性や目標を示すものです。

この記事では、2018年に改定された第5次エネルギー基本計画で定められている原則や、目指す電源構成について解説しています。また、2030年、2050年それぞれに向けた目標についてもご紹介します。

エネルギー基本計画とは何か?概要をわかりやすく解説

「エネルギー基本計画」は、エネルギー政策の基本的な方向性をまとめたものです。

2002年に制定された「エネルギー政策基本法」に基づいて、政府が策定することになっています。

少なくとも3年ごとに内容をチェックし、必要があれば変更する旨が法律で定められています。実際、2003年に初めて策定されてから、数年ごとに改定されています。

直近(2020年2月時点)は2018年に改定が行われ、第5次エネルギー基本計画となりました。

日本が抱えるエネルギー問題とは?

日本は、エネルギーについて大きな問題を抱えています。それが以下の2つです。

  • 諸外国に比べ、エネルギー自給率が低い
  • 火力発電など、化石燃料に頼った発電割合が高い

日本は、エネルギーの資源を大きく海外に頼っています。原子力発電の普及によって、エネルギー自給率が20%程度になったこともありました。

しかし、東日本大震災および東京電力福島第一原子力発電所事故が起きたことにより、エネルギー自給率は9%程度にとどまっているのが現状です。

資源を外国に依存していると、国際情勢の影響を大きく受けるため、場合によってはエネルギーの安定供給ができなくなるリスクがあります。

燃料

また、化石燃料を使った発電割合が高いのも課題です。

もともとの割合の高さに加え、原子力発電所の停止によって火力発電所を稼働せざるをえなくなった背景もあります。

2017年度の電源構成では、石炭など化石燃料による発電は87.4%、原子力発電は1.4%、水力発電は3.5%、水力以外の再生可能エネルギー発電は7.6%であり、化石燃料による発電に大きく頼っているのが現状です。

温室効果ガスの削減は世界的な問題であり、日本としても「脱炭素化」は重要課題となっています。

次項から、エネルギー基本計画の具体的な内容を見ていきましょう。

第5次エネルギー基本計画(2018)の内容は?

「第5次エネルギー基本計画」では、「3E+S」の原則をさらに発展させ、より高度な「3E+S」を目指すため、4つの目標を掲げています。

「3E+S」とは、「エネルギーの安定供給(Energy security)」「環境への適合(Environment)」「経済効率性の向上(Economic efficiency)」という3つのEと、「安全性最優先(Safety)」のSを合わせた言葉です。

より高度な「3E+S」とは、基本の3E+Sからさらに踏み込んだものです。

具体的には、以下のとおりです。

  1. 技術革新とガバナンス改革による安全最優先
  2. エネルギー自給率アップおよびリスク最小化のためのエネルギー選択の多様性確保
  3. 再生可能エネルギー活用などによる「脱炭素化」への挑戦
  4. コスト抑制および日本の産業競争力の強化

第5次エネルギー基本計画は、「2030年」と「2050年」という2つの目標年があります。

それぞれの年に向けてどのような対応をするのか、さらに詳しく見ていきましょう。

【エネルギー基本計画】2030年に向けての目標と「エネルギーミックス」

2030年に向けた対応のキーワードは「エネルギーミックス」です。

エネルギーミックスとは、さまざまな発電方法を組み合わせて、供給電気をまかなうことをいいます。

エネルギーミックス社会を確実に実現するために、エネルギー基本計画では、さまざまな方向からのアプローチが掲げられています。

再生可能エネルギーについては、引き続き導入を推進していくとされています。

普及が広がっている太陽光発電だけでなく、風力発電や地熱・水力・バイオマスによる発電についても、低コスト化や将来的な主力電源化を目指して、取り組みを進めるとされています。

化石燃料(石炭、天然ガス、石油、LPガス)は、発電効率アップや温室効果ガス排出を下げる技術開発、災害リスク等への対応強化を図ります。

環境への負荷を見据えつつも、引き続き活用していく方向です。

非化石燃料である原子力発電については、依存度を下げていくとしつつ、エネルギー供給のために利用する方向です。ただし、どんな事情よりも安全性が第一であるとしています。

エネルギー基本計画の概要

徹底的な省エネルギー社会の実現も、重要な課題として挙げられています。

省エネ法が策定され、官民ともに取り組みが進められてきたところですが、IT技術の活用や省エネルギー機器の導入、公的な支援などを行い、さらに省エネルギーを目指すとしています。

さらに、二次エネルギー構造の改善も掲げられています。

二次エネルギーとは、一次エネルギー(石炭や太陽光など、自然から直接得られるエネルギー)を利用して作り出されるエネルギーのことです。具体的には、「電気」や「熱」、「水素」などを指します。

現在の日本では、電気が二次エネルギーの中心となっていますが、熱や水素をもっと活用する社会を目指し、取り組みを進めるとしています。

エネルギーミックスについてさらに詳しく知りたい方は、「エネルギーミックスとは?日本のエネルギー事情をふまえて解説」をご覧ください。

【エネルギー基本計画】2050年に向けての目標と「脱炭素化」

2050年に向けた対応のキーワードは「脱炭素化」です。脱炭素化とは、簡単にいえば、「炭素を出す化石燃料に頼らない」ということです。

政府は、2050年に向けた長期的目標として「温室効果ガスの80%削減」を掲げています。

化石燃料に頼らないエネルギー供給を行うために、前述したより高度な「3E+S」に基づいて取り組みを進めていくとしています。

長期目標には、多くの可能性と不確実性があります。
そのため、エネルギー基本計画では、野心的なシナリオと科学的レビューで重点を決めていくこととしています。

CO2

各発電方法においては、再生可能エネルギーの主力電源化とともに、原子力も脱炭素化のために活用する方針です。

化石燃料は徐々にフェードアウトしつつ、水素技術や蓄電池の開発、地域における分散型エネルギーシステムの開発などにも取り組んでいく旨が記載されています。

2030年は、技術的には現在とそこまで大きな変化はないと予想されています。しかし、2050年となれば、技術革新が大きく進んでいる可能性があります。

国際的な開発競争も見込まれる中、日本がエネルギー技術でリードするためには、官民が協力し合ってエネルギー転換と脱炭素化に挑戦することが重要です。

エネルギー基本計画で推進される再生可能エネルギーについて解説!

2030年および2050年に向けた目標のどちらでも、再生可能エネルギーが重要であるといえます。

太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーのメリットは、何より温室効果ガスの排出が少ないこと、資源が無限であるということです。

脱炭素化を目指すうえで、再生可能エネルギーはますます中心となっていくことが予想されます。

ただし、再生可能エネルギーのデメリットとして、発電量が不安定、インフラ不足、安全性の不安なども挙げられます。
エネルギー基本計画に基づき、今後はさらなる技術開発や基盤づくり、厳しい基準への適合が求められます。

再生可能エネルギーについては、「再生可能エネルギーとは何かを簡単に解説!日本と世界の導入状況も」の記事をご覧ください。


第5次エネルギー基本計画には、日本の発展と世界への貢献を目指すべく、安定した持続的・自立的なエネルギー供給を実現するための課題や政策がまとめられています。

課題は多いですが、目標を達成するためには、官民一体となった挑戦が重要といえるでしょう。

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