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九州電力でも行われる出力抑制(出力制御)を解説!新ルールや対象もくわしく

2019.9.10

太陽光発電を始めとした「再生可能エネルギー」の主力電源化が、「第5次エネルギー基本計画」(2018年7月に閣議決定)で打ち出されました。
しかし一方で、再生可能エネルギーの発電量を減らすために「出力抑制(出力制御)」が九州電力をはじめ、各地で行われる可能性があります。

なぜ、出力抑制は行われるのでしょうか。また、これから太陽光発電を導入する場合、どのような対策をとれば良いのでしょうか。出力抑制の制度やルール、そして対策方法についてくわしく解説します。

出力抑制(出力制御)とはどういう制度?

太陽光発電における出力抑制とは、電力会社が発電事業者に対し、発電設備からの出力停止、あるいは抑制を指示して出力量を管理することです。

太陽光発電は、太陽光が当たると自動的に電力を生み出す仕組みになっています。これは太陽光発電の大きなメリットだといえます。
しかし、電力の需要が少ない時間帯に、太陽光発電の発電量のピークが訪れるため、需要と供給のバランスが取れなくなってしまいます。
そこで太陽光の出力(ここでは、発電した電気を売電すること)が抑制されるのです。

電気には、使う量(需要)と発電する量(供給)のバランスを保たなければいけないという「同時同量の原則」があります。日本全国で1日に発電される大量の電力は、そのまま貯めておくことができません。
つまり、需要と供給のバランスを取るために、出力抑制を行う必要があるのです。

もし、電力の供給過多によりバランスが崩れると、変電所にダメージを与えたり、電力が逆流することで大規模な停電を引き起こしたりする恐れがあります。

太陽光発電における出力抑制の上限を接続可能量と言います。出力抑制は、この接続可能量を調整する活動であると言えるでしょう。

下の図は、火力発電の制御と太陽光発電の出力抑制を表した図です。太陽光発電のピークである昼において、火力発電は最大限に抑制され、同時に太陽光発電も抑制されています。つまり昼は電力が余ってしまうので、このように発電設備の制御が行われるのです。

太陽光発電の抑制イメージ
太陽光発電の抑制イメージ

出力抑制の目的として、電力会社が消費者に対して安定した電力供給を行うだけでなく、再生可能エネルギーの導入を拡大させることがあげられます。

出力抑制は、太陽光発電だけではなく、火力発電などそのほかの発電方法にも適応されます。そのため、太陽光発電による電力を使えるのは、そのほかの発電方法に出力抑制がかかっているからだという面もあります。つまり、出力抑制を行えば、より多くの太陽光発電の導入に結びつくのです。

太陽光発電が出力抑制される理由

先ほども書いた通り、太陽光発電所だけでなく、火力発電所、風力発電所などでも出力抑制は行われています。
そのため、どの発電方法から出力抑制を行っていくのかを定めた「優先給電ルール」が設けられています。優先給電ルールは、以下のようになっています。

  1. 火力の制御、揚水の活用(余った電気を利用した水のくみ上げ)
  2. ほかの地域への送電
  3. バイオマスの制御
  4. 太陽光、風力の制御
  5. 水力、原子力、地熱の制御

出力抑制は1から順に行われ、太陽光発電の優先度は4番目となっています。つまり、他の発電方法と比較すると、出力抑制の対象となる順位は低いということになります。ただし、より優先度の高い発電方法の抑制を行っても、なお供給量がオーバーしている場合、太陽光発電の出力抑制が必要になるります。

九州電力の出力抑制にかかわる「九電ショック」とは何か

九州地方は日射量も多く太陽光発電に適している地域です。そのため、九州電力の管内では、再生可能エネルギー(再エネ)の出力抑制を何度か実施しています。例えば、2018年度では26回の出力制御を実施しました。

さらに、九州電力に売電の申し込みがあった太陽光発電を全て接続した場合、電気使用量の少ない春や秋の昼間は、太陽光による発電量が全消費電力を上回ることが明らかになりました。そのため、九州電力では、既存および新規の系統接続を一時的に保留することにしました。

これに続いて、北海道、東北、四国、沖縄の発電所においても、新規接続契約の保留が発表されました。九電ショックとは、この一連の出来事のことを指しています。

出力抑制(出力制御)で覚えておきたい3つの新ルール

2015年1月に「再生可能エネルギー特別措置法(再エネ特措法)」が改定されました。これにより、太陽光発電の出力抑制において3つの新しいルールが設けられました。

出力抑制に関する新ルールを順に説明します。

出力抑制の対象を500kW以上の太陽光発電設備だけでなく、500kW未満にも拡大

新ルールでは、500kW未満の太陽光発電も出力抑制の対象となりました。

これにより、今後は住宅用の太陽光発電も対象となる可能性があります。しかし、住宅向けの太陽光発電の規模は小さく、自家消費と余剰売電が主な目的であるため、抑制対象とはいえ、実際に抑制される可能性はかなり低いと考えられています。

年間30日までの出力抑制期間が年間360時間を上限、あるいは無制限に変更

従来は、1年のうち30日を上限として出力抑制できる「30日ルール(旧ルール)」に従っていましたが、2015年より、1年間で360日を上限とする「360時間ルール(新ルール)」に変更されました。

また、電力会社の30日等出力抑制枠(接続可能量)に達してしまった場合、それ以降に接続を申込んだ接続発電設備を対象に、太陽光発電の無保証出力抑制に上限がなくなる「指定ルール」が適用されるようになりました。

出力抑制を行うため遠隔出力抑制システムの導入を義務付け

新ルールにおいては、出力抑制を自動化するために、遠隔で出力抑制が行えるシステムの導入が義務付けられました。

例えば、時間単位での細かい出力抑制を行うために必要となる「リアルタイム制御指示器」や「制御機能付きパワコン」などの機器の導入です。

出力抑制の対象は?電力会社別にルールを整理

太陽光発電における出力抑制のルールは、接続申し込み先の電力会社及び発電設備の発電量に応じて、制御量が異なります。

発電量による分類と、発電事業者別の分類を掛け合わせたものが以下の表です。

~10kW10~50kW50~500kW500kW~
東京
中部
関西
出力抑制対象外出力抑制対象外平成27年4月1日から上限360時間平成27年1月26日から上限360時間
北陸
中国
平成27年4月1日から上限360時間平成27年4月1日から上限360時間平成27年1月26日から上限360時間平成27年1月26日から上限360時間
四国
沖縄
平成27年4月1日から上限360時間平成27年1月26日から上限360時間平成27年1月26日から上限360時間平成27年1月26日から上限360時間
北海道
東北
九州
平成27年4月1日から上限360時間接続可能量超過後の申し込みから指定ルール接続可能量超過後の申し込みから指定ルール接続可能量超過後の申し込みから指定ルール

それでは、もう少し詳しく見ていきましょう。

東京・中部・関西電力の出力抑制ルール

【10~50kW未満】

  • 出力抑制の対象外。

【50~500kW未満】

  • 「360時間ルール」の出力抑制の対象。
  • 平成27年3月31日以前に接続申込み案件は、出力抑制の対象外。

【500kW以上】

  • 「360時間ルール」の出力抑制の対象。
  • 平成27年1月15日以前に申請した案件は、「30日ルール」が適用。

北陸・中国電力の出力抑制ルール

【10~50kW未満】

  • 「360時間ルール」の出力抑制の対象。
  • 接続可能量超過後に接続申込み案件からは「指定ルール」が適用。
  • 平成27年3月31日以前に接続申込み案件は、出力抑制の対象外。

【50kW以上】

  • 「360時間ルール」の出力抑制の対象。
  • 平成27年1月25日までの接続申込み案件は、原則出力抑制の対象外
  • 接続可能量を超過した後に接続申込みをした案件からは「指定ルール」を適用

四国・沖縄電力の出力抑制ルール

【10kW未満】

  • 「360時間ルール」の出力抑制の対象。
  • 平成27年3月31日以前に接続申込み案件は、出力抑制の対象外。
  • 接続可能量を超過した後に接続申込みをした案件からは「指定ルール」を適用

【10kW以上】

  • 「360時間ルール」の出力抑制の対象。
  • 接続可能量を超過した後に接続申込みをした案件からは「指定ルール」を適用

北海道・東北・九州電力の出力抑制ルール

【10kW未満】

  • 「指定ルール」の出力抑制の対象。
  • 平成27年3月31日以前に接続申込み案件は、出力抑制の対象外。

【10kW以上】

  • 接続可能量を超過した後に接続申込みをした案件からは「指定ルール」を適用

なお、出力抑制は規模の大きい太陽光発電から順に行われるため、発電量の小さい家庭用の太陽光発電では主力抑制が行われる可能性は低いと考えられます。

出力抑制(出力制御)を回避する3つの対策

太陽光発電システムを所有する事業者が出力抑制を回避・対策する方法としては、以下の3つの対策が有効です。

出力抑制対策①保険に入る

出力抑制のために失われた売電金額を補償するために、「出力抑制保険」というものがあります。

現在は出力抑制が行われていない地域であっても、将来的に出力抑制が実施される可能性もあります。契約している電力会社の状況を確認して、不安なら加入を検討することをおすすめします。

出力抑制対策②蓄電を行う

蓄電とは、余った電気を電池にためておくシステムのことです。太陽光発電設備の近くに、リチウムイオン電池蓄電システムを併設することで、出力抑制を回避できます。

大容量の蓄電システムを導入すれば、発電した電力を蓄電池に充電し、必要な時に売電することができます。

出力抑制対策③出力抑制対象外エリア(東京・中部・関西電力)を選ぶ

電力の需要量が多い東京・中部・関西電力では、契約電力が10~50kWであれば、出力抑制の対象外です。出力抑制を回避するのであれば、はじめからこれらの管内に太陽光発電設備を設置するのも一つの方法です。


環境にやさしいなど、メリットの多い太陽光発電ですが、出力抑制という課題もあります。

太陽光発電の導入を検討しているのであれば、ここで紹介した出力抑制の仕組みをしっかりと理解しましょう。

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